風前ともし火!社ち君! 作 /鈴木 智
仕事でうだつの上がらない人や、日和見主義で人生を波風立てずにやり過ごすことを指針として生きている人を揶揄して「窓際族」と呼ぶ言葉があります。このお話は、そんな窓際族の父親を心から尊敬しているニート中年の七転八倒のギャグ物語です。高きには高きの、低きには低きの、それぞれの人生目標とそれなりの努力があり、しかし共通普遍の苦しみと哀しみがある。そのそれぞれには真剣だけど、人のまじめさはまた滑稽でもある。その相対的眼差しの穏やかさを表現したかった作品だと、今では思っています。読んで少しでもほっこりしていただけたら幸いです。