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記事No.008 知ってどうなる!2章12話(後編)小ネタ話

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今日は。鈴木です。
あっと言う間に2022年も2月に入りましたね。

来迎國も1月に単行本2巻が無事発売できましたが、まだまだ全体構想の序盤ですのでどんどんお話を進めていけるように今年も玉野君と共に一生懸命頑張ります!

では、今回の『来迎+α』をお楽しみください。


12話(後編)の最大のツッコミどころは何といってもこの5ページにも渡る『宮沢賢治の手帳』でしょう!はい、皆様の心の声はしっかりと届いております。「なんだコレは?」と(笑)。
かく言う鈴木も、このアイデアを思いついた時には(さすがに担当編集さんでもコレはOKしてくれないだろうなぁ~)と思っていました。が、思い付いちゃったからには描かずにはいられないのが一端の社会不適応者魂というもので。ちゃっかり描いて、何も説明せずシレ~っと提出しました。だって面白いんだもの。
ところが、担当編集さんの方もこの部分には何も言わずシレ~っとOKしてきたので、逆に玉野君ともども度肝を抜かれたという結末で…。いやはや、担当編集さんの方がよっぽど上手でありました。
前段はさておき、この部分は確かに表現形式として『漫画ではない』のですが、駒井先生というキャラクターの芯を端的に表現するうえで極めて重要なページでした。「お金で物事を計る価値観」と言うものに猛烈に反対している人物の「根源的願い」は何か。これをキャラの行動や行為様式で表現するのがオーソドックスな表現方法なのですが、むしろ「漫画の外部を利用して表現する」という方法で今回はアプローチしてみました。つまり、多くの方が既に持っているであろう『宮沢賢治という人物のイメージ』を心の中でキャラ(駒井先生)に投影してもらうために、あえて「(賢治自身ではなく)手帳だけ見せる」という間接的手法によって、むしろクリアに投影してもらえるように設計いたしました。
と同時に、「雨ニモマケズ」の全文を多くの人に知ってもらいたかったという私の欲も…(笑)
「雨ニモマケズ」は一般に賢治の詩だと思われていますが、正確に言うならあれは持ち歩いていたメモ帳に書き留めた『メモ書き』の部類で合って、むしろ自分自身に向けて語った言葉だと(鈴木は)理解しています。それ故に、極端に純粋な言葉になれたのではないか…。その「純粋さ」こそ駒井先生を表現するうえで最適なのではないか、そんな考えのもとに思いついた表現なのでした。

漫画本編内では何も語られていませんが、この『駒井先生も頭が上がらない女性』は実は駒井先生の奥様という設定です。駒井医院は駒井先生と奥様、数名のパートのスタッフで平素は運営しており、漫画本編内の時間帯では駒井先生と奥様の2人だけで次々にやって来る患者さんの治療をしています。ちなみに奥様の国籍はインドで、医学生時代に日本に留学に来ていた時に、当時大学病院に勤めていた駒井先生と知り合ったとか。奥様は駒井先生の事を「レナード」と呼ぶので、内心駒井先生は嫌がっているのですが、夫婦のパワーバランスの都合で今日にいたるまでその件で奥様に物申したことはないそうです。無頼漢に見える駒井先生ですが、家庭人としては典型的な「嫁の尻に敷かれる亭主」のようです(笑)
その姿を公威や才達に見られたくないから、↑のコマでは早足に奥さんの横をすり抜けていったのでした。

「けいか」という名前を聞けば、ピンとくる人はピンとくるネタです。公威のお師匠様である『啓果(けいか)和尚』は、ここで初めて本編で名前だけ登場するのですが、真言宗のお坊様で智拳寺(ちけんじ)というお寺の住職という設定です。公威も良円もこの智拳寺に所属する僧侶ですが、このネタでは「真言宗」だということがポイント。
そう、真言宗の開祖と言えば平安時代に中国に渡った有名なあの人…。そしてその人が唐で師事した人の名前は『恵果(けいか)』なのです。この二人の逸話には、『時代を超えて生まれ変わって巡り合い続ける』というエピソードがあって、それを下敷きにして公威と啓果和尚の関係性は設定されています。この記事で全部書いちゃうのはちょっと野暮なので、気になる人はぜひ調べてみてください(笑)
それはさておき、啓果和尚のビジュアルは2章14話で登場予定ですので、どうぞお楽しみに!


昔の公威は髪結構長かったんだ…、というご指摘を期待しております(笑)そう、ちゃんとあったんです。昔は。完全にネタのように聞こえるかもしれませんが、「公威の髪の毛」は実はちゃんとした意味のある設定があって、これに関しては後々どこかで触れるつもりでいます。2章13話・14話は『公威の過去編』となりますので、ぜひ「髪の毛」に注目してみてください(^^)/
それはそれとして、一体公威にはどんな過去があったのか。また駒井先生とはどんな因縁があったのか。かなりつらく厳しい過去を背負った人物なのですが、それは本編でしっかりと描かせて頂きますので、どうぞご期待ください。


というわけで今回の『来迎+α』はここまでとなります。まだ書きたいことは結構あるんですが、それはまた機会を改めて。

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