鬼憑の剣 作 / 鈴木 智
この漫画は22~23歳ころに描いたかなり大昔の作品なのですが、とても思い入れの強い1作です。大学の授業をさぼって10カ月かけて描き上げたのですが、その時の経験が自分の漫画造りの基礎になったと思います。このお話の中に熊野の湯の峰と言う場所が出てくるのですが、実際に現地に行って歩きまわ「小栗判官と照手姫の伝説」を見つけて取り入れたりと、『物語を体で作る』方法を理解したのもこの時が最初でした。原稿完成後は講談社の週刊モーニングに持ち込みに行き、最初はボロカスに酷評を頂いたけれど、ヤケクソでそのままちばてつや賞に応募したら準大賞を受賞したという、面白い経緯があります。授賞式の日にちばてつや先生にお言葉を頂けたことは今でも私の誇りとなっています。