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記事No.014 知ってどうなる!2章21.5・22話小ネタ話

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こんにちは。鈴木です。
続・GW。天気が良くていい感じですね。
今回の『来迎+α』は2章の21.5話と22話から選んだ小ネタとなります。
今回は結構真面目な話が多めです。そんな記事があってもいいじゃない(笑)

それでは今回の『来迎+α』をどうぞ!


21.5話はチョッと特殊な回でした。今話から「トモちゃん」と「丁ちん」という新キャラが唐突に出てきます。この二人は物語の『語り部』として登場させた人物たちです。これは平家物語における琵琶法師であり、全ての死んでいった者たちの物語を語り継ぐ語り部の役を担っています。そして、実際のところこの2人は『実在する人物かどうかハッキリとは分からない』というニュアンスで最終話まで描きました。彼らは人間も四ツ手も関係なく、ただ死んだ者たちと生者の間で『死者の物語』を語る(唄う)だけの存在だからです。またこの回は、物語上の時間軸としては1秒に満たない瞬間の物語として描いたので、そういった設定からもトモちゃんと丁ちんが登場するのにふさわしい回だと感じました。
ちなみにこの二人は私(鈴木)と玉野君のある種の投影でもあります(笑)


21.5話の中心テーマは『才の通過儀礼』でした。1巻で公威が蓮君の家族と出会ったときと同じ心の旅をここで才は体験します。そして、ちちくろうさんの自己犠牲を目の当たりにすることが因となって、生と死の境に自ら飛び込むのです。ここから続く一連のシーンは、神話の研究者ジョセフ・キャンベルの『ヒーローズ・ジャーニーの理論』に基づいて構成しました。この「死への最接近」を経て、才は公威と同じ境地(世界への眼差し)を体得するのです。このエピソードがもたらした才の変化こそが、この後の公威との関係性の土台を確たるものとしたのでした。


22話ではトモちゃんの謎の語りが挿入されています。実はこの部分をよ~~~~く読んで頂くと、語りの中で『四ツ手が日本を侵略してきた動機と手段』が仄めかす様に語られているのが分かるかと思います。また電子書籍4巻に収録されている巻末おまけに『始まりの物語』という文章があるのですが、こちらとも内容的に補完関係になっているので、4巻を購入してくださった方はぜひ22話と始まりの物語を併せて読んでみて下さい。きっとと来迎國の大元の設定がやんわりと見えて来るのではないでしょうか。


22話で公威が放った逆転の一手・ガソリン放水。それで焼け死ぬ四ツ手たちを見て才達は喝采の声を上げます。そしてその反応を見ていた蓮君もほの暗い笑みを浮かべるのですが、公威は自分を逃がした老四ツ手の姿を思い浮かべながらその姿を複雑な心境で見ているのでした。まさに地獄さながらの死闘の中で、この瞬間に蓮君は「自らの内なる地獄」に足を踏み入れたのです。しかしそれは誰にも非難できるようなものではありません。それ故に、これこそが真の地獄であると公威は感じたのでした。


22話では羌霊族(きょうりょうぞく)という種族の四ツ手が登場します。羌賤隊のクロたちも羌霊族という設定です。この一族には先天的に奇形で特殊な超能力を持つ者たちが一定割合で生まれてきます。その外見や特殊性ゆえに四ツ手の世界では古来より最下層の被差別民族でした。彼らの一族が有している能力には大きく2種類があり、1つは『遠く離れた空間を見通す透視能力』、もう一つが『空間的に離れた場所にある物体を瞬時に引き寄せる物質の瞬間移動能力』でした。この二つはシンクロして組み合わせることで遠距離の攻撃にも利用できるので、22話ではそのような超能力の使い方をしていましたが、これは彼らの元からの文化とすればかなり特殊な使い方でした。


22話のラストは「王の資質」についてのエピソードです。そもそも来迎國の中で使われる「王」という言葉は、実際的な社会階層や職能的な意味ではなく、寓意的・象徴的な意味合いで使われています。これは「人生のある瞬間に於いては、全ての人は王となる運命から逃れられない」という発想に基づいています。なので、公威や才だけのことを指して「王」と言っているのではなく、上記のカットでは『全てのキャラクターが王者となった瞬間』として描いています。そしてこのような瞬間は、私たちの日々の暮らしの中にも折々に存在している、と私は考えています。


というわけで、今回の『来迎+α』はここまでとなります。また次回をお楽しみに!

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  1. 才の変化はどのようにして、公威との関係性の土台を築く要素となりましたか?regard Telkom University

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